なんとなく、日本人
「日本人は論理的でない」という切り捨てたような言説に強い反感を
抱いていた私。この本はそんな私の気持ちにしっかりとした裏づけを
与えてくれました。
日本語は高文脈依存言語であって述語も話し相手との関係性によって
変化する(敬語など)ため、日本社会が関係性を重視する社会となって
います。たとえば、母親が子どもに車を説明するとき、アメリカは「これは
クルマ。クルマを見てごらん。これ好きかな?かっこいい車輪がついて
いるねぇ」と説明するのに対し、日本では「ほら、ブーブーよ。はい、どうぞ。
こんどはお母さんにどうぞして。はい、ありがとう」と教える傾向が強いそう
です。前者では母親は子どもに「世界が名詞という概念から成り立って
いること」を教え、後者では「述語(動詞)を通して、世界が関係性で成り
立っていること」を教えています。こうした例からも、欧米社会と日本社会の
本質的な違いが読み取れます。
要は、日本には欧米と違った意味での論理性、合理性があり、それが
日本社会の強さにもつながっているということが書いてあります。
これ以上ブログで説明するのは難しいので、なにはともあれ本著を読んで
みてください!
著者はもともとビジネス界で活躍された方だけに、論理展開は学者っぽ
くありませんが、それだけに社会構造や文化比較といった枠組みにとら
われず、物事の本質を広範に、的確に表現されているように感じます。
目先だけで成果主義を導入したり、終身雇用制や退職制度を廃止しよう
とする経営者は、一度この本を読んで日本社会の特色を理解するべき
でしょう。というわけで『経営者はこれを読むべし』にも加えておきます。
