『夢を与える』 綿矢りさ (文藝 2006冬号)
あの綿矢りさが沈黙を破って書いた新作小説、と紹介すれば
手に取る理由としては十分ではないでしょうか。
今発売中の「文藝」に彼女の新作「夢を与える」が掲載されて
います。単行本になるのを待ちきれず、読んでしまいました。
子役として小さいころから注目される女の子がタレントとして
ブレイクする中である事件に巻き込まれます。登場人物それ
ぞれが主人公としての輝きを持ちながら、マスコミやインター
ネットが絶大な権力を持つ現在社会に翻弄されていきます。
マスコミの描写が非常にリアルなのは、文壇アイドルとなって
しまった著者の経験のなせるわざでしょうか。
前作でも話題をよんだ性描写は、今回もきまじめに出てきます。
作家の表現力が秀逸なので目のやり場に困ります。
この作品の続編も含め、これからの作品が楽しみな作家です。
出版社 河出書房新社
税込価格 1,200円(本体1,143円+税)

