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2007年01月28日

日本語はなぜ美しいのか

日本語は美しい、とあたまっから決め付けたタイトルにひかれて買いました。
しかし、読んでみたところ内容にはどうも共感できません。

冒頭に「アサ」という発音には開放感があって「morning」はくぐもった優しさ
がある、とこの本は主張してるんですが、そういう風に感じるのは日本人だから
そう思うのであって、果たしてアメリカ人やイギリス人もそう感じるわけではない
のでは?とのっけから批判的になってしまいました。読み進むうちに、この著者の
持論として言葉には発音体感があってそれが言葉の本質であり、ソクラテスの例を
引用してそれが洋の東西を問わず普遍的であるかのように書かれています。
しかし、発音体感というものが仮にあるとしても、同じ「ア」という発音を聞いて
想起する事象は、母語としている言語によって大きく異なるし、個人によっても
異なっているのではないか、と思います。Kは硬いとか、Tは粘性のある液体、
Yはゆらぎとか言ってるんだけど、どうも納得できません。

あと、母音語と子音語という話が出てきて、日本語は母音骨格で音声認識する
母音語で世界のほとんどの言語、英語、フランス語、韓国語、中国語は子音骨格
で音声認識する子音語と分類しています。しかし、中国語の音声認識で重要な
のは四声であって、四声が正しいと多少子音の発音があやしげでも、言葉が
通じたり、聞き取れたりするものです。言語の世界は広大で、世界には何千という
言語があるわけだし、同じ中国語でも地域によってぜんぜん違うし、日本語も
古代の日本語は今とぜんぜん違って、母もファファとか発音していたっていうから、
この言語は母音語とか、簡単に白黒つけて分類できるものではないように思います。

英語だけじゃなくて、もっと中国語とアラビア語とインドネシア語とモンゴル語とか、
ぜんぜん毛色の違った言語を10ヶ国語ぐらい勉強している人が「日本語は美しい」
と言ってくれたら、もっと説得力があるのにな、と思いました。

しかし、この本の「早期英語教育礼賛は考え物」という主張には全面的に賛成
します。三歳までの母語形成期になにより大切なのは母親が幸せであること、
という意見も大賛成です。ご自身も子育てされた経験をもたれているので、
教育面の提言はなるほどと思う内容が多いです。子どもの母語形成を豊かな
ものにしたかったら、夫は子どものことより妻の精神状態に気を配るべきだそうです。
うーんなっとく。父親ってその程度のものだよなぁ。

出版社 集英社
著 者 黒川伊保子
税込価格 714円(本体680円+税)


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2007年01月23日

『ローマ人の物語 ユリウス・カエサル』 塩野七生

塩野さんは無類のカエサル好きだそうで、「ローマ人の物語」の中で
一番のおすすめは、このユリウス・カエサルのルビコン以前、ルビコン以後
だ、と聞いたので、そのとおりに読んでみました。本当に一番のおすすめか
どうかは、まだ他の巻を読んでいないので論評する段にありませんが、
このユリウス・カエサルは間違いなく秀作です。

カエサルというと武人のイメージでしたが、若いころはむしろ弾圧され、権力に
上り詰めるまでには政治力を駆使する必要があったこと、当時のローマが
すでに非常に整備された法治国家であったことなど、この本を読んで初めて
知りました。
学生のころにローマの歴史を勉強した時は、非常にわかりずらい印象がありました。
日本の場合は足利家が滅びれば室町幕府はおしまい、中国の王朝も血統が
滅びれば王朝も滅亡とわかりやすかったのですが、ローマの場合は皇帝の血統
がとだえても、帝政は続いていきます。
それも、共和制のローマの時代から脈々と続いた、法による支配があるからだ、
と始めてわかりました。

塩野さんはこの15年間、「ローマ人の物語」を書くために他の全ての仕事を犠牲にし、
英語やイタリア語の文献はもちろん、キケロやカエサル自身が残したラテン語の資料
まで読みとおしたそうです。それに塩野さんの深い人間心理の洞察が加わったこの
「ローマ人の物語」は日本が世界に誇れるローマ史研究の集大成といえるのでは
ないでしょうか。これからひとつひとつ読んでいくのが楽しみです。

そうそう、ガリア戦記のところで「アステリクス」が登場したのが個人的には最高に
うれしかったです。アステリクスはフランスでとても人気のあるマンガですが、
主人公はカエサルに抵抗するガリア人たちで、ちょっとドタバタっぽいないようです。
何シリーズも出版されていて、中にはセリフが全てラテン語で書かれたバージョン
まであります。なぜこの話がこんなにフランス人の間で人気があるのかずっと不思議
だったのですが、塩野さんの解説を読んで理解できました。
アステリクスの英語の紹介サイトはこちら

出版社 新潮社
著 者 塩野七生
税込価格 420円(本体400円+税)


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2007年01月19日

ユニクロvsしまむら

一度ユニクロしまむらについて解説した本を読みたいと
思っていたら、うってつけの本があったので衝動買いしました。
ユニクロとしまむらの経営戦略の違いが、とてもよくまとめられて
います。両社に以前から着目して取材を続けている著者だけあって、
各社の成長の沿革もよくわかります。

ユニクロは大成功もしますが、失敗もします。しまむらは着実に成長
する方法を取っています。しかし、両社とも衣料品小売業界が低迷を
続ける中で驚異的な成長を遂げたことは特筆に価するでしょう。
書籍小売業も年々市場縮小している業態なので、彼らの成功例を
見ると、私も希望を持って働けるというものです。

出版社 日本経済新聞社
著 者 月泉博
税込価格 1,575円(本体1,500円+税)


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2007年01月11日

ウェブ人間論

801ちゃんもいいですが、これこそ新年に読むにふさわしい本です。
ウェブ進化論の梅田望夫氏と「日蝕」「葬送」などを書いた作家
平野啓一郎氏の対談です。SNSやグーグル、アマゾンなどウェブ
の進化によって、人間がどう変わっていくかについてのべ16時間に
わたる激論を交わしています。
あたりさわりのない意見交換ではなく、相手の意見を否定する
ような内容も、お互いはっきり主張されているので場の緊張感まで
読者に伝わってきます。

このままウェブ技術の進化が進んだらはたして紙の本消えてしまう
のか?私にとってかなり気になるこのテーマについてもお二方の意見は
異なりますよ。

出版社 新潮社
著 者 梅田望夫 平野啓一郎
税込価格 714円(本体680円+税)


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2007年01月05日

となりの801(ヤオイ)ちゃん

生まれて初めて女の子からもらったプレゼントが、聖闘士星矢のペガサス
ファンタジーのカセットだった私ですが、このタイトルを見た瞬間、つい
郷愁(?)にかられて購入してしまいました。最近はアイドルでもアニメが
好きな人が多いようで、だいぶ市民権を得たものですね。


彼女がオタクな人の体験談を元にした人気ブログから生まれたコミックです。
ここに出てくる女の子、801ちゃんはかなりディープな趣味なので、
一般人の私には、出てくるネタの半分くらいしかわかりません。
ただ、この世界にどっぷりつかった友人、恋人、姉妹などを持つ人は、
共感できてしまうのではないでしょうか。

これを読んでもさっぱりわからないという人はこちらへ。
もっとわからなくなるかも知れませんが。

出版社 宙出版
著 者 小島アジコ
税込価格 1,050円(本体1,000円+税)


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2007年01月01日

新年のごあいさつ

当ブログをご愛読のみなさま

昨年中はたいへんおせわになりました。
おかげさまで、だんだんアクセス数も増加しております。
今年もみなさまに楽しんでご閲覧いただけるよう、更新に
勤めたいと思います。

本年もよろしくお願いします。