ハーバードビジネススクールの泰斗、マイケル・ポーターが
日本政府と日本企業の進むべき戦略を語ります。
すでに7年前の本になりますが、彼の指摘する日本の問題点
は未だ改善されていないように思います。
ほんの20年前は日本の経済的優位性はゆるぎないものでした。
その成功の要因のひとつが「日本的経営」である、と言われて
きました。終身雇用制、先行的な技術投資、大蔵省・通産省
による戦略的な産業育成・・・。しかし、ほんとうにこれらが日本の
成長の要因だったのか、とポーターは鋭く疑問を投げかけます。
10年の歳月をかけた、日本の各産業に関する重厚な調査が、
主張を説得力のあるものにしています。国際的競争力を獲得するに
至った成功産業と、そうでない失敗産業に分けて分析されている
のですが、失敗産業の典型として、なぜかチョコレート産業が
やりだまにあげられています。
日本はチョコレートの大生産国でありながら、日本のメーカーは類似の
商品で国内市場をあふれさせるばかりで、海外進出をする競争力はない
とポーター氏は断じています。うーん、アメリカ人から言わせると
日本のチョコはまずいんですかね?確かに昔ながらのチョコの味って
カカオの含有量が少なそうですが、子供のころから食べてると、
あれがおいしいって思っちゃうんだけどな。私のこうした嗜好も、日本の
非効率な産業構造のなせる業のようです。
冗談はさておき、日本の企業研究というととかく自動車や集積回路、
家電製品などごく一部の産業が取り上げられがちです。本書はさまざまな
産業を幅広く俯瞰して、日本の問題点を的確に指摘しており、ビジネスに
携わるものにとっては必読の書です。
あ、こんなのも日本の成功産業なんだ、って発見もありますよ。
出版社 ダイヤモンド社
著 者 マイケル・E.ポーター 竹内弘高
税込価格 2,520円(本体2,400円+税)

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