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2008年04月22日

『子子家庭は波乱万丈』 赤川次郎

ドイツ・オーストリアを舞台にした赤川次郎の小説に、それと
対応したエッセイがセットになった単行本ということで読んで
みたのですが、小説の方は物足りませんでした。ミステリー
の要素はあまりありません。エッセイの方は、筆者の映画や
クラシックに関する豊富な知識に彩られておもしろく読めました。

今の日本の死をもてあそぶ風潮に対する批判など、
小説を読んでいてもわからない、赤川次郎本人の肉声に
触れられるのが魅力です。「死者の学園祭」の舞台挨拶で、
主演の深田恭子が原作者本人を前にして、「原作は読んで
ません」と堂々と答えたエピソードには笑いました。

著者: 赤川次郎
出版社: 新潮社
サイズ: 単行本
ページ数: 225p
発行年月: 2007年12月


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2008年04月16日

クーリエ・ジャポン パリ特集

チベットの動乱が世界を騒然とさせている。
欧米諸国のメディアは中国政府の人権侵害を非難し、
中国側は逆に西側メディアの偏向性を攻撃する。
今号ではワシントンポスト、中国の環球時報、ルモンド
やインドのアウトルックの記事を掲載しているが、
もっとも興味深いのは、亡命中国人らが発行している
新世紀新聞網」だ。これを読むと、チベット問題の本質が
人権や宗教と別に、自治あるいは経済にあることが見えてくる。
ちなみに「新世紀新聞」は歌舞伎町のディープな中華料理店
に行くとタダで配ってあったりする。

奇しくもケータイ特集には携帯端末に熱中するチベットの少年たち
の写真が登場する。若いチベット人が古い世代のチベット人と
同様に、ダライ・ラマに神性を感じているかといえば、おそらく違う
だろう。

ところで、今回の特集はパリである。10年前に妻と二人で
パリに行った時に食べて、今でも忘れられないのはアルゼンチンの
ステーキ
だ。本誌51ページ掲載のお店がそのお店だったか
定かではないが、シャトーブリアンを初めて食べた。今でも
忘れられないほどおいしかったのだが、ただ料理が出てくるのが
遅く、妻が「ちゃんと頼んだの?」と怒り出す始末。隣の席に
座っていた老紳士が「ここはいつも時間がかかるから大丈夫だよ」
と親切にもとりなしてくれた。言葉がわからなくても、妻がなぜ
怒っているかはわかったらしい。

最後に必見はマルティン・ルストー。37歳にしてアルゼンチンの
経済相。大学を首席で卒業した後、ジャーナリストとしてアフガンで
戦場記者をやり、34歳でブエノスアイレス州銀行の総裁。
このハンサムな顔にして恐るべき経歴である。

出版社: 講談社
発売日: 2008年04月10日
サイズ: A4


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2008年04月12日

『論理と感性は相反しない 』 山崎ナオコーラ

学生のころ、塾の英語の先生が趣味で造花を作って
いたのですが、例えばバラを作る時も、現実にはない
色で作るそうです。なぜかと言えば、「造花で現実にある
花をまねてもつまらない。実際にはないものを作るから
おもしろい」のだそうです。
小説も、現実には起こらない話を作るからこそおもしろい
のかも知れません。

神田川歩美、矢野マユミズ、ボルヘスなど多彩な登場人物が
オーバーラップして登場する短編集です。
「人間が出てこない話」「架空のバンドバイオグラフィー」
など、かなり挑戦的な小説も収録されてます。

山崎ナオコーラさんはブックスタマにもひょっこり訪れてくれました。
これからも応援していきたい、素敵な方です。

著者: 山崎ナオコーラ
出版社: 講談社
サイズ: 単行本
ページ数: 226p
発行年月: 2008年03月


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2008年04月08日

その数学が戦略を決める

ワインのおいしさが簡単な方程式で予測できるという話を
あなたは信じるだろうか?
あなたの好みの異性のタイプや、将来離婚するかどうかまで
予測できてしまうとしたら?

今や「絶対計算」がそれを現実のものとしてしまった。
膨大なデータの集積が可能になったため、まったく違う数値の
相関関係を計算して、これまで不可能だった未来の予測や、
専門家の直感に頼っていた事柄まで、測定可能になったのだ。

ぶどうを収穫した年の降雨量と出荷された時の値段。ある個人の
買物履歴と離婚率。投薬とその効果。こうした二つの数値の相関
関係を計算することで、ワインの専門家も医者の診断も不要に
なる。データ解析はまさに”神の領域”に達したようだ。

そんな時代になったら人間は何をしたらいいのか?!
その疑問を解く鍵もこの本に書いてある。

訳はクーリエ・ジャポンでエコノミストのコラムを担当している山形浩生氏。
知の最先端を突っ走っている一冊です。

著者: イアン・エアーズ /山形浩生
出版社: 文藝春秋
サイズ: 単行本
ページ数: 340p
発行年月: 2007年11月

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