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今号は冒頭のJ.K.ローリング(ハリー・ポッターの作者)のハーバード
大学の卒業式での特別講演が出色。講演の前文が掲載されていますが、
ユーモアと示唆に富み、まとめもすばらしいです。
アフリカの小国に君臨する某大統領。精神異常で秘密警察を使いひどい
人権侵害を行い、欧米の石油会社にも非協力的な態度を取っている。
その大統領を武力で追い出し、現在亡命中の有力者を大統領に据える
事に成功したら巨万の富をもたらす石油採掘権の契約を結べるという。
そんな計画に誘われたら、あなたは参加するだろうか?
小説張りの物騒な企てに実際に誘われ、一時的に参加した英ジャーナリスト
の手記も掲載されています。
その他にも表題の石油やグーグル、ヌードビーチなど興味深い記事が
盛りだくさん。とても紹介し切れません。
個人的にどうしても紹介したいのは123ページのフィンランドの記事。内容とは
まったく関係ない事ですが、同国の現職財務大臣はカタイネンだそうです。
かつてアホ首相やケッコーネン大統領を輩出したフィンランドですが、
今度は財務大臣だけにカタイネン。これは安心して国家財政をまかせられるな。
出版社: 講談社
発売日: 2008年08月09日
サイズ: A4
48歳で早世した広瀬正の長編タイムトラベルSFです。
広瀬正は高校のころ、『ツィス』や『鏡の国のアリス』を
読んでおもしろいと思っていたのですが、この『マイナス・
ゼロ』は未読だったので、興奮しながら買いました。
始まりは終戦間際の東京。中学二年生の浜田俊夫は
空襲で息を引き取ろうとしている隣家の先生から「18年後
にまたこの場所に来てほしい」と不思議な依頼を受ける。
そして約束の日、彼の前に現れたものは・・・。
ボリュームのある長編ですが、おもしろくてどんどん読めて
しまいます。昭和初期の描写が緻密で臨場感があるのに
加え、作品の舞台である昭和38年の東京も現在からすると
『過去』の世界なので、二重にタイムトラベル気分を味わえ
ます。
ただ、読後のスッキリ感はあまりありませんでした。解決
されない謎も多く、パラドックスがそのまま残されていて、
じゃあこの人はいったいどこから来たんだ!!と叫びたく
なりました。
著者: 広瀬正
出版社: 集英社
サイズ: 文庫
ページ数: 518p
発行年月: 2008年07月
世の中悩んでいる人が多いのか、よく売れている本です。
かくいう私もいろいろ悩んでいるので思わず買ってしまいました。
残念ながら、これを読んだからといって悩みは解決されません。
ただ、漱石もウェーバーも悩んでいたと聞いて、なぐさめられる
だけです。
ただ、「こんなことで悩んでいる自分は人間として未熟なのでは
ないか」と自分を卑下する必要はない、ということです。
姜先生の著作はいくつか読みましたが、これが一番読みやす
かったです。(ちなみに最難は「オリエンタリズムの彼方へ」)
著者: 姜尚中
出版社: 集英社
サイズ: 新書
ページ数: 190p
発行年月: 2008年05月
冷たい雨の夜、女を拾う・・・というシチュエーションについ触手が
動いてしまいました。
池内峻介は突然現れた女を助け、車に乗せた。女はほとんど服を
着ておらず、何者かに追われていた。女の指示するまま峻介は
車を女の自宅に走らせたが、そこもすでに追っ手に先回りされて
いた。峻介は女を自分の住むマンションに連れ込んだが、
女はどんな男も信用しない種類の女だった。
ミステリーの要素あり、男女の絡みありで、読んでいてひき込まれます。
私は電車を二駅も乗り過ごしてしまいました。
圧倒的な敵に立ち向かっていく様はハードボイルドの真髄です。
著者: 志水辰夫
出版社: 新潮社
サイズ: 文庫
ページ数: 381p
発行年月: 2008年03月