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2008年05月02日

千住家の教育白書

長男の博氏は日本画、次男の明氏は作曲、娘の真理子氏は
バイオリニストと3人の世界的芸術家を育てた母、千住文子さんの
子育て記録です。愛情を持って自然体で子供に接することが、
どんな教育理論よりも重要であることがよくわかります。
著者は文筆が本業ではないはずですが、描写がきわめて細やかで
子供たちの様子が目に浮かぶよう。あえて事がらを時系列に並べて
いないところが、かえって飽きさせません。
別に子供を芸術家にしようと思っていない人でも、気負わず読んで
いただきたい本です。

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2008年03月17日

『生命文明の世紀』 安田喜憲

若い人たちの間で経済成長が必ずしも善では
ないという考え方が共有されつつあるそうです。

温暖化がこれだけ実感されていながら、我々の
周りでは加速度的に大量のエネルギーが消費
されています。自動的につく電気に自動的に
動く便座。ここまで必要なのでしょうか。

この本のテーマは物質文明から生命文明への
転換です。日本にはもともとあった生命や自然を
尊重する文明があったことを、我々は知るべきだ
と思います。

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2007年08月17日

お金がなくても平気なフランス人お金があっても不安な日本人

どこにもバカンスに行けない私は、こういう本を読んで
フランスに行った気になります。

フランスに20年滞在した経験を持つ著者が、フランス人の
家族、仕事、バカンス、お金などの考え方や価値観を紹介
する本です。
コンビニ、自動販売機、消費者金融。日本では当たり前に
存在するものですが、フランスにはありません。
世の中を変えるのは難しいですが、家で食事を作って
家族みんなで食べたり、自分の生活を変えることはだれでも
できるのではないでしょうか。

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2007年04月24日

進化しすぎた脳

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よく錯覚の実験でこんな線を見せられて、ほんとは同じ長さなのに
下の方が長く見える、なんてやりましたよね。
でも、なぜそもそも「目の錯覚」なんて奇妙なものがあるのか
考えたことはあるでしょうか?錯覚なんて無い方が物の長さが
正確に把握できて、いいですよね?

大脳生理学を専門とする著者が、そんな疑問も説明してくれます。
時間が経つと記憶があいまいになってしまったり、主観で物の
見え方が変わってしまったり、一見不完全に見える人間の脳の特徴が、
実は人間の知性を作りあげる上で重要な役割をしていることに
驚かされます。久しぶりにかしこくなる本を読んだなぁ。

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2007年02月01日

イヴの七人の娘たち

ヨーロッパ人の遺伝子情報をたどると、95%は7人の女性
共通の先祖としている・・・。そんなロマンあふれる事実を
実証するまでの軌跡を、実証した科学者自ら書き下ろした
本です。
日本人の95%は9人の共通の母親を持つそうです。
私はよく「お前の顔は日本人じゃない」と言われるので、
一度自分の祖先がどこから来たのか調べてみたいと
思っています。アメリカの黒人のセレブの間では、自分の
ルーツを調べるのがブームだとか。遺伝子でそこまで探れる
なんて、すごい世の中になったものです。

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2006年12月01日

『ニッポン、ほんとに格差社会?』 池上彰

「日本では貧富の格差が拡大している」「日本は世界一の貿易大国
郵政民営化は先進国ならどこだってやっている」などなど、一般的に
日本について言われている事を、池上彰さんがあらためてデータを元に
その真偽を検証した本。「週刊こどもニュース」のお父さん役だけあって、
わかりやすくまとめて書いてあります。テーマごとに章に分かれているので
読んでいて疲れません。
この本を読んで、政治家や知識人の主張を一度根底から疑ってみるのも
必要ではないでしょうか。

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2006年11月17日

裁判長!ここは懲役4年でどうすか

ライターの著者が裁判の傍聴体験をコラムに書くために何の前知識
もなく東京地裁を傍聴し、だんだんその面白さにハマっていくおはなし。
裁判員制度導入論に一石を投じる、というよりか、題名がしめすとおり
人の一生を左右する裁判を前にして、ノリはひたすら軽いです。不謹慎な
コメントもちらほら。いーのかな文春文庫で出版して。
必死に無罪を主張する弁護人を尻目に居眠りする被告人。女子高生の
ギャラリーを前に、ついついはりきってしまう裁判官。検事や弁護士も
含めて、全て等身大(というか矮小化された)人間の視点から描かれて
います。
私は裁判経験者ですが、まったくの未経験の人には刺激的な内容では
ないでしょうか。

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2006年10月12日

シュリーマン旅行記清国・日本

トロイ遺跡を発掘したシュリーマンが実は幕末の日本に来ていた!
シュリーマンって人は何か商売で大もうけして、子どものころに読んだ
伝説の中のトロイの町は本当にあったんだ!と信じて、めぼしいところを
掘りまくった結果、ついに本物の遺跡を発見してしまった偉人ですが、
お金があるのをよいことに、当時の日本と中国を旅行していたそうです。
19世紀半ばにヨーロッパ人が日本まで旅するなんて、今で言えば宇宙
旅行
をするような感覚でしょうね。

しかし、このシュリーマンさんはやはりただものではなく、手記は非常に
緻密に描かれ、読んでいる私たちも当時の日本を旅している感覚に
襲われます。娼婦が職業として認められ、娼家に売られても読み書き
そろばんをはじめとした基礎教育が受けられ、将来は結婚の道も開けて
いたこと。お金をもらうことを最もとし、シュリーマンがお礼のつもりで
小銭を渡しても頑として受け取らない武士たち。この本を読まれると
文化の違う外国のように当時の日本が浮かびあがり、むしろシュリーマン
の方に共感を覚えることでしょう。今の日本より幕末の日本の方が美しく
誇らしく思えるのは私だけではないと思います。

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2006年08月25日

政商

田中角栄の盟友、小佐野賢治の伝記的ドキュメントです。
なんとなくすごい人、としか知りませんでしたが、若くして
財を築き、次々と買収を繰り返して事業を拡張する様が
生々しく記されています。バス会社って儲かったんだなぁ。

東急グループの五島慶太もずいぶん小佐野賢治をバックアップしていた、
というか利用していたんですね。

奥さんが学習院出の華族でとっても美人な方ですが、
結婚するまでの描写に比べて、結婚してからがあまり登場しないのが残念でした。

そんな小佐野賢治の築いた国際興業も2004年にはサーベラスの傘下に。
盛者必衰というところでしょうか。

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2006年08月13日

『あなたの知らない精子競争』竹内久美子

「あなたの知らない」と言われても、そもそも「精子競争」なる言葉
自体初めて聞きました。数少ない卵子を目指して、精子が我先にと泳ぐ
アレですが、さまざまなドラマが隠されているそうです。
浮気の時の射精の方が精子の数が多いとか、ペニスの形は他の
男性の精子をかき出すためだとか、興味深い事実が記されています。
女性の売春やマスターベーションにまで、種を存続させるための意味
付けがなされています。ちょっとぶっ飛んだ見解じゃないのかな?

ぜひ頭を柔軟にして読んでください。「よい種を残すにはたくさんの男性
と経験した方がいい」とか言って女性を口説くときのネタに使う御仁も
いるかも。

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2006年07月15日

フェルマーの最終定理

Xのn乗+Yのn乗=Zのn乗 nが2より上の場合、この方程式の解はない。
この1行の式の証明が、350年もの間どんな数学者にも解けない問題として
語り継がれてきました。しかし、ついに1995年、一人のイギリス人数学者の
手によって証明されます
この本はこの「フェルマーの最終定理」が証明されるまでのドキュメントです。
数学の知識がなくても、数学者一人一人が一個の人間として生々しく描写されて
いるので、たとえあなたがハクション大魔王でも読み物として十分楽しめます。
フェルマーだけではなく、ピタゴラスやガウス、ガロアといった英雄たちも登場。
谷山=志村予想に関連して日本人も登場します。
日本人から優秀な数学者が輩出されているのに驚かされます。こういう人たちの
存在をもっと学校で教えてもいいんじゃないでしょうか?

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