メイン

2008年07月08日

格安イタリア生活

現実を忘れてヨーロッパでの優雅な第二の生活を夢見よう、
と思い手に取りました。実際にイタリアでご家族で生活されて
いる方の書かれた本なので、入国ビザや現地での住居の
探し方など非常に実践的です。豊かな食材や歴史的な芸術に
気軽に触れられるのは、なんともうらやましい環境です。

しかし著者はライターなので日本での仕事を継続しながら
徐々に生活の基盤をヨーロッパに移していかれたようですが、
私のような書店経営者にはとてもムリ。ヨーロッパでの生活は
まだ当分遠い夢のままのようです。

続きを読む "格安イタリア生活" »

2008年02月01日

『日本進化論』 出井伸之

ソニーの代表取締役を務めた出井伸之氏が、
これからの10年の日本の飛躍に期待をこめて
上梓した一冊。日本経済が低迷してしまった
原因をするどく突きながら、日本の持てる力、
その可能性について力説します。
氏のわかりやすい語り口は、どなたが読んでも
心に響くものがあると思います。

続きを読む "『日本進化論』 出井伸之" »

2007年07月11日

「世界征服」は可能か?

くだらない内容と分かっていながらこの手の本には弱くて、
ついつい買ってしまいました。
アニメや特撮ものの世界では決まって悪者は世界制服を
狙うものですが、いったい「世界征服」とはなにか、まじめに
論じてます。いかに世界征服が割りにあわない事業か説明
されると、幼いころの夢(?)を壊された気になります。
ヨミさますごろくやモンゴル帝国の版図など、くだらなさに
輪をかけています。

著者はガイナックスやダイコンフィルムの岡田斗司夫氏。
愛國戰隊大日本の主題歌は秀逸でした。

続きを読む "「世界征服」は可能か?" »

2007年06月07日

ウェブ新時代の「口コミ」戦略

これまで実体のないもののようにとらえられてきた口コミが、
今次第に定量化され、制御する対象となりつつある。
本書でもkizasi.jpが取り上げられているが、ブログ解析の
サイトを見ると、人々の関心の度合いが即座にグラフ化されて
そら恐ろしいくらいだ。

日々襟を正してお客様と向き合わないと、すぐお客様に
見破られる時代になったようです。


続きを読む " ウェブ新時代の「口コミ」戦略" »

2007年04月07日

だれが信長を殺したのか

織田信長が家臣の明智光秀に打たれたのが本能寺の変
ですが、なぜ明智光秀が叛意を抱いたのかは歴史の
されています。さまざまな俗説のある中で、非現実的な
伝承を振り払い、歴史的真実を追究したのが本書といえます。

本を薦める立場なのにこんなことを言ってもなんですが、
かなり上級者向けの内容です。どのぐらい上級かといえば、
惟任日向守(これとうひゅうがのかみ)」と聞いて誰のことか
ピンとくるとか、三好康長と聞いて「ああ、康長ね」と軽くいな
せるくらいでなければこの本を読んでも眠くなるだけです。

しかしながら、明智光秀が謀叛を起こした理由について述べ
られた諸説に通暁し、信長公記をはじめとする古文書までも
読み解きながら、本能寺の変の真相に迫る筆致は非常に
説得力があります。歴史ファンなら、「あーこいつが黒幕だった
んだ」とうなずくことしきりでしょう。

続きを読む "だれが信長を殺したのか" »

2007年03月30日

リクルートのDNA

リクルートの創業者、江副浩正氏が自らリクルートについて
語った本。
USENの宇野康秀氏や楽天野球団の島田亨氏など、
リクルート出身者で経済界で活躍している経営者は数多い。
直接彼らがリクルートにいた時のことにこの本は触れていないが
江副氏が何を考えてリクルートを運営していたか語っていく中に
なぜリクルートが数々の経営者を生み出していったかが見えてくる。

豊田英二氏や松下幸之助氏、中内功氏など名だたる経営者たち
との交流にも触れられていて、興味深い。

改めて企業の「社会への貢献」について考えさせられた一冊であった。

続きを読む "リクルートのDNA" »

2007年03月29日

コピー用紙の裏は使うな!

最近インパクト芸人ならぬ「インパクトタイトル」の本が
多い気がします。題名を見るとおやっと思うのですが、
手にとって読んでみるとそれほどの内容でなかったり。
でも、この本は実践的な内容も含んでいます。
企業のコスト削減で常識的に言われている事柄を
改めて問い直し、社員が楽しみながらコスト削減を
実現するにはどうするか、具体的な方法まで示して
くれています。芸人にたとえればインパクトで目をひき
ながら、ネタもねられているにしおかすみこ、といった
ところでしょうか。

コスト一覧表や1時間あたりの人件費はさっそくわが社
でもまとめてみようと思います。

続きを読む " コピー用紙の裏は使うな!" »

2007年01月28日

日本語はなぜ美しいのか

日本語は美しい、とあたまっから決め付けたタイトルにひかれて買いました。
しかし、読んでみたところ内容にはどうも共感できません。

冒頭に「アサ」という発音には開放感があって「morning」はくぐもった優しさ
がある、とこの本は主張してるんですが、そういう風に感じるのは日本人だから
そう思うのであって、果たしてアメリカ人やイギリス人もそう感じるわけではない
のでは?とのっけから批判的になってしまいました。読み進むうちに、この著者の
持論として言葉には発音体感があってそれが言葉の本質であり、ソクラテスの例を
引用してそれが洋の東西を問わず普遍的であるかのように書かれています。
しかし、発音体感というものが仮にあるとしても、同じ「ア」という発音を聞いて
想起する事象は、母語としている言語によって大きく異なるし、個人によっても
異なっているのではないか、と思います。Kは硬いとか、Tは粘性のある液体、
Yはゆらぎとか言ってるんだけど、どうも納得できません。

あと、母音語と子音語という話が出てきて、日本語は母音骨格で音声認識する
母音語で世界のほとんどの言語、英語、フランス語、韓国語、中国語は子音骨格
で音声認識する子音語と分類しています。しかし、中国語の音声認識で重要な
のは四声であって、四声が正しいと多少子音の発音があやしげでも、言葉が
通じたり、聞き取れたりするものです。言語の世界は広大で、世界には何千という
言語があるわけだし、同じ中国語でも地域によってぜんぜん違うし、日本語も
古代の日本語は今とぜんぜん違って、母もファファとか発音していたっていうから、
この言語は母音語とか、簡単に白黒つけて分類できるものではないように思います。

英語だけじゃなくて、もっと中国語とアラビア語とインドネシア語とモンゴル語とか、
ぜんぜん毛色の違った言語を10ヶ国語ぐらい勉強している人が「日本語は美しい」
と言ってくれたら、もっと説得力があるのにな、と思いました。

しかし、この本の「早期英語教育礼賛は考え物」という主張には全面的に賛成
します。三歳までの母語形成期になにより大切なのは母親が幸せであること、
という意見も大賛成です。ご自身も子育てされた経験をもたれているので、
教育面の提言はなるほどと思う内容が多いです。子どもの母語形成を豊かな
ものにしたかったら、夫は子どものことより妻の精神状態に気を配るべきだそうです。
うーんなっとく。父親ってその程度のものだよなぁ。

続きを読む "日本語はなぜ美しいのか" »

2007年01月11日

ウェブ人間論

801ちゃんもいいですが、これこそ新年に読むにふさわしい本です。
ウェブ進化論の梅田望夫氏と「日蝕」「葬送」などを書いた作家
平野啓一郎氏の対談です。SNSやグーグル、アマゾンなどウェブ
の進化によって、人間がどう変わっていくかについてのべ16時間に
わたる激論を交わしています。
あたりさわりのない意見交換ではなく、相手の意見を否定する
ような内容も、お互いはっきり主張されているので場の緊張感まで
読者に伝わってきます。

このままウェブ技術の進化が進んだらはたして紙の本消えてしまう
のか?私にとってかなり気になるこのテーマについてもお二方の意見は
異なりますよ。

続きを読む "ウェブ人間論" »

2006年12月14日

『インテリジェンス 武器なき戦争』 手嶋龍一 佐藤優

外交上の情報戦についての対談ですが、ビジネスにも通じるものを
感じます。とはいえ、あちらは国家の存亡をかけているのに対し、
こちらはせいぜい金儲け。比べるのがおこがましいほどレベルが
違いますが・・・。

考え方を変えれば、国家間の情報戦に比べれば、ビジネス上の
情報戦や、男女間の情報戦もかわいいもの。参考にすれば、
百戦錬磨になれるかも。

内容はムネオ事件で起訴休職中ですが、もともと凄腕の外交官
である佐藤氏と、「ウルトラダラー」の著者手嶋氏が、情報戦という
獣道についてコワイ対談をエンエンと繰り広げるもの。湾岸戦争や大韓航空機など
マスコミの報道ではわからない視点や事実がワンサと出てきます。

大きな案件をものにできるかどうか、大トラブルを収集できるかどうか。
自分の社会人生命をかけるような修羅場に立たされたとき、あなたを
救うのは本書のいうところの「薄っぺらい論理」に違いありません。
上司、彼女、世の中の悪など、何かと戦っている方は必読です。

続きを読む "『インテリジェンス 武器なき戦争』 手嶋龍一 佐藤優" »

2006年11月24日

ミュンヘンの小学生 娘が学んだシュタイナー学校

私も人の親となり、教育どーするかなぁと読んでみました。
「シュタイナー教育」。名前は聞いたことあるけど、いったい
どんなものかはまったく知らず、障害者教育のようなイメージ
もありました。

人の成長は7年ごとに3段階で進み、あまり早い時期に抽象的
な知識を教えてもムダ。道徳的な教訓は決して人をよくしない
常識をくつがえされる考え方が次々と出てきます。

1970年代にミュンヘンで暮らした著者が、実際に自分の娘を
シュタイナー学校に通わせた経験を記した本ですが、30年以上
経った今も、斬新さを失いません。自分が受けてきた教育との
あまりの違いに、子育ての悩みはさらにいっそう深まってしまい
ました。


続きを読む "ミュンヘンの小学生 娘が学んだシュタイナー学校" »

2006年07月28日

ブッダは、なぜ子を捨てたか

手塚治虫の『ブッダ』に、初めてのわが子を胸に微笑む妻に向かって、
血相を変えて怒り出すシッダールタが描かれています。
彼は「この子は私の修行にとって障害にすぎない。ラーフラ(障害、悪魔)
と名づけよう」と言います。この行動は私にとっても長年の謎でした。

この本は、その「ブッダの子捨て」を正面から取り上げた好著です。
ブッダに人間的な解釈を挑み、とりわけブッダの人生をインド独立の父
ガンディーの人生に比較する試みは、古代から連綿と連なるインドの社会
背景を映し出して非常に興味深いです。

表題の「ブッダはなぜ子を捨てたか」という問いかけは、この本を読んだか
らと言って答えが出るほど簡単なものではありませんが、自らの宗教を
よく知るのには、よい機会になるでしょう。

続きを読む "ブッダは、なぜ子を捨てたか" »

2006年06月14日

なんとなく、日本人

「日本人は論理的でない」という切り捨てたような言説に強い反感を
抱いていた私。この本はそんな私の気持ちにしっかりとした裏づけを
与えてくれました。
日本語は高文脈依存言語であって述語も話し相手との関係性によって
変化する(敬語など)ため、日本社会が関係性を重視する社会となって
います。たとえば、母親が子どもに車を説明するとき、アメリカは「これは
クルマ。クルマを見てごらん。これ好きかな?かっこいい車輪がついて
いるねぇ」と説明するのに対し、日本では「ほら、ブーブーよ。はい、どうぞ。
こんどはお母さんにどうぞして。はい、ありがとう」と教える傾向が強いそう
です。前者では母親は子どもに「世界が名詞という概念から成り立って
いること」を教え、後者では「述語(動詞)を通して、世界が関係性で成り
立っていること」を教えています。こうした例からも、欧米社会と日本社会の
本質的な違いが読み取れます。
要は、日本には欧米と違った意味での論理性、合理性があり、それが
日本社会の強さにもつながっているということが書いてあります。
これ以上ブログで説明するのは難しいので、なにはともあれ本著を読んで
みてください!

著者はもともとビジネス界で活躍された方だけに、論理展開は学者っぽ
くありませんが、それだけに社会構造や文化比較といった枠組みにとら
われず、物事の本質を広範に、的確に表現されているように感じます。

目先だけで成果主義を導入したり、終身雇用制や退職制度を廃止しよう
とする経営者は、一度この本を読んで日本社会の特色を理解するべき
でしょう。というわけで『経営者はこれを読むべし』にも加えておきます。

続きを読む "なんとなく、日本人" »

2006年05月30日

首相支配 〜日本政治の変貌

自民党総裁選の泡沫候補に過ぎなかった小泉純一郎が
なぜこんなに権力を持った総理大臣になったのか?
宇野さんあたりから、日本の首相はコロコロ変わって
日本の政治はやっぱり官僚主導だと言われてきましたが、
小泉さんはそのイメージを一変させました。
しかし、そんな状況を「小泉が強いのではない」とこの本は
喝破します。じゃあ、何が強いのか。
90年代前半の細川内閣成立からの日本政治の変遷に
沿って、小泉首相がなぜこれだけのリーダーシップを持つに
至ったかが、わかりやすい言葉で解説されています。

続きを読む "首相支配 〜日本政治の変貌" »

2006年05月07日

99・9%は仮説

世の中で常識と思われていることは、ほとんど「仮説」
に過ぎない、というのがこの本の趣旨です。飛行機で
旅行することが当たり前の世の中ですが、実はその
飛ぶ原理も仮説にすぎないそうです。この本を読めば
いかに自分があやふやなものを確実と思い込んで生
きているのか、いやというほどわかります。

最近おとなになりすぎてしまって、物事を当たり前と思
って疑わなくなってしまいました。子どものころは、この
世界の全てが幻想で、自分が死んで自分の思考が停止
したら、全て無になってしまうんではないか?なんてこと
を考えたこともあったんですが・・・。この本を読んで、人生
を始めたばっかりのころは持っていたのに、今は失って
しまったものを、少しばかり思い出しました。

続きを読む "99・9%は仮説" »

2005年12月05日

下流社会

流通業という仕事柄、日本の中流社会がどんどん崩壊してきているのを
肌で感じます。
この本は、収入や可処分所得ではなく、アンケートをして「自分は下流(
もしくは中の下)の人間だ」と思っている人を下流にカテゴライズしている
ので、あまり学問的な分析とはいえませんが、今拡大している「下流層」
ってどんな人種なんだろう?という疑問をお持ちの方にはお勧めできます。
カップヌードルまで「下流層用」ができるかも(この本によれば)。

続きを読む "下流社会" »