回向をしていただきました
会社でよくないことが続いたので普段お世話になっているお寺に回向(えこう)というものをしていただくことがありました。回向とは、物事がよくない方に進んでいるときに、方向を変えて、良い方向に向かうようにすることを意味するそうです。
日本語では「回」という漢字は「回る」「回転する」という意味で使いますが、この「回向」という言葉では「向きをくるっと変える」という意味に使われています。これは中国語の「回」と同じ使われ方だと感じました。
中国語では「回家(ホェジアー)」は「家に帰る」、「回頭(回头ホェトウ)」は「(後ろを)振り返る」と「回」はくるっと180度方向を変える意味に使われます。仏教用語は比較的時代が後になって日本に伝わってきたためか、現代中国語に近い使われ方をしているのかも知れません。日本と中国の交流が始まったのは遣隋使(600年)の頃ですので、聖徳太子の時代です。仏教用語は鎌倉時代に伝わっていますので、600年くらいの時間差があります。仏教用語の漢字の読み方も「呉音」と呼ばれ、普通の漢字の音読みとは違う読み方が多いですが、これも現代中国語に近い発音になるように思います。「回」は普通音読みでは「カイ」ですが、「回向」では「エ」と読まれます。 現代中国語の「回」の発音は「ホェ」ですので、 「カイ」とは読み方が全然違いますが、「エ」ならば、近しいものを感じます。中国語を勉強していると、普段の生活でこんな発見もあります。