普信男
中国で数年前から使われるようになった言葉に「普信男」というものがあります。
とても普通なのに、なぜかとても自信がある男、という意味で、中国の人気番組脱口秀大会(トゥオコウショウ ダーホェ トークショウ大会)で、中国のスタンダップコメディアンの杨笠(ヤンリー)が言った「明明那么普通,却那么自信」という言葉からきているそうです。「明らかに普通(な男性)なのに、こんなに自信満々になれるのは(不思議だ)」という意味です。
中国は一人っ子政策のせいか、小さいころから親が子供をほめまくるので、あまり取り柄がない人でも、自分はすごい人物かのように誤解して成長する、という話もあります。また、重男轻女(チョンナン チンニュイ)、いわゆる男尊女卑の考え方も、まだ中国には根強く残っています。男の子を大事にする風潮が残っていて、それが男の子を自信過剰にさせるというのです。
中国の出生率の低下が著しく、人口がインドに抜かれたことが、ニュースになりました。その原因のひとつは、この「普信男」かも知れません。中国政府は出生率を上げようと、一人っ子政策を緩和したりして躍起になっていますが、「普信男」の存在が若い女性の独身志向を強め、その結果出生率が下がっていると考えられます。