ウクライナ危機のかげで

ウクライナとロシアの戦争の影響で、ロシアからヨーロッパへの天然ガスの供給が滞り、ヨーロッパの人々は果たして冬を越せるのか、と懸念する声が上がっています。そんな中、中国では「ヨーロッパ人が中国製のホットカーペットを爆買いしている」という噂が飛び交い、一攫千金をもくろむ人々がいたようです。

確かにヨーロッパで保温用品の需要は伸びているようですが、実際にはホットカーペットはあまり人気がなく、保温下着や「光腿神器」、ダウンジャケットや湯たんぽなどに需要が集中しています。

「光腿神器(グアントェ シェンチー)」はネット上で使われるようになった言葉で、薄手のレギンスのことを指すようです。「光腿」は裸の腿のことで、履いていても遠目で見ると履いていないように見えることから「光腿神器」と言われているようです。昨年対比で131%増加したという話で、オランダ、ドイツ、フランスで特に人気があるようです。それ以外の単語の中国語は以下の通りです。

电热毯(ディエンラータン) ホットカーペット

保暖内衣(バオルァン ネイイー) 保温下着

羽绒服(ユィロンフー) ダウンジャケット

热水袋(ラーシュエ タイ) 湯たんぽ

ホットカーペットが不評な理由は、電気代も高騰しているので、ホットカーペット買ってもあまり家計の節約にならないことと、もともとホットカーペットを使う習慣がヨーロッパにあまりなかったことも影響しているようです。

また、ヨーロッパもインフレの影響を受けていて、消費者物価が上がっているので、家電製品より比較的安価な保温下着などの衣料品に消費が流れたという見方もあります。ウクライナとロシアの戦争は、一般の中国人にとっては対岸の火事なので、このように漁夫の利を得ようとする人もいるようです。