テンセント

中国政府がテンセント(腾讯 タンシュン)に新規アプリのリリースやアプリのアップデートを禁止しました。最近アリババ (阿里巴巴 アーリーバーバー) やディーディー(滴滴 ディーディー)など中国の大企業に対する政府の締め付けが話題になっているので、日本でもこのニュースが大きく報道されています。

テンセントはWechat(微信 ウェイシン)というLINEのようなサービスを展開している企業として知られています。中国の人と友達になると間違いなくWechatが必要になるくらい、中国人の間で普及しているアプリですので、知っている方も多いでしょう。テンセントの事業領域は音楽やゲーム、eスポーツなど多岐にわたりますが、特に影響力が大きいと思うのはスマホ決済です。中国でスマホ決済が普及していることもよく知られていると思いますが、そのサービスを提供しているのが、アリババとこのテンセントです。日本でもPaypayなどスマホ決済がだんだん普及してきましたが、アリババやテンセントはお金をチャージすると3~5%と高い金利が付くサービスを展開していたので、お金を預ける人が急増しました。日本では法律の規制で同じサービスを展開することはできませんが、中国でスマホ決済が普及した理由は、便利でなおかつお得だったからだと思います。アリババには花呗(ファーベイ)という、チャージの残高がマイナスになると自動的に貸し越しなるサービスもあって、知らないうちに借金ができてしまうことになるので、サービスが行き過ぎていて逆に怖いものがあります。

今回の政府の締め付けのニュースが報道されても、テンセントの株価はあまり下がっていないようです。中国の経済は先行きが不透明なので断言はできませんが、テンセントの中国IT企業の雄としての地位はまだまだ安泰のように感じます。