ラッキンコーヒーが黒字に

ラッキンコーヒー(瑞金咖啡 ルイジン カーフェー)は、中国のスターバックスと呼ばれることもある中国最大のコーヒーチェーンです。以前このコラムで触れたことがありますが、2020年にナスダックに上場したものの、不正経理で上場廃止になった企業です。常識的に考えれば、そんな信頼性のない企業はそのままつぶれてしまいそうなものですが、なんとラッキンコーヒーはその後も順調に運営を続け、この度2022年6月の中間決算で、2期続けて四半期で黒字を計上することができました。

売上高は33億人民元(約660億円)で、店舗数は7195店舗と、中国のスターバックスの店舗数5761店舗を1000店舗以上、上回っています。利益面では、2022年1月~3月の第一四半期は営業利益が0.16億元で、4月~6月の第二四半期では2.42億元と大幅に増益しました。増益の要因ですが、第二四半期の収入を見ると直営店の収入が23.31億元で対前期52.4%、フランチャイズ店の収入が7.78億元と対前期178.4%と、フランチャイズからの収入が大幅に増えています。この第二四半期の間に615店舗出店したのが、増収の原因だそうですが、3か月で600店以上出店するというのは想像を超えて桁違いで、驚かされます。

ラッキンコーヒーが成長を続けている原因として、商品戦略の成功があげられます。去年発売された生椰拿铁(シェンイェー ナーティエ)は大ヒット商品となりました。ココナツミルクで作ったカフェラテで、生椰(シェンイェー)が生のヤシという意味で、拿铁(ナーティエ)がカフェラテという意味です。また、競争の少ない地方都市に出店しているのもラッキンコーヒーの特徴で、寧夏回族自治区の銀川や青海省の西寧にも出店しています。地図で確認していただければ、かなりの辺境の都市であることがわかると思います。雲南省のコーヒー豆を使ったり、中国ブランドとしての特長も強めています。

黒字体質になって軌道に乗ったように見えるラッキンコーヒーですが、そもそも創業して5年たってやっと黒字になっていたり、ナスダックの上場復活も果たせておらず、まだまだ波乱含みのように思われます。今後の動向が注目されます。