今年の双11

中国で毎年恒例の11月11日のセールですが、阿里巴巴(アリババ)が5403億元と昨年対比8.45%増で過去最高の売り上げを達成しました。日本円にすると8兆6000億円という巨大な金額ではありますが、昨年が昨年対比26%という伸びを記録していたため勢いが減速したと報道されています。また、アリババのライバルの京东(ジンドン)が3491億元の売上で、昨年対比29%の伸びですので、ジンドンが勢いよくアリババに迫っている印象があります。

今年の特徴としてはライブ販売(直播电商)の割合が上がっていることがあります。販売額トップの李佳琦(リージアーチー)は115億元、2位の薇娅(ウェイヤー)は85億元を売り上げています。 李佳琦 はもともとロレアルの美容部員で中国のライブ販売でもっとも有名な人です。男性ですが自分で口紅を塗ってセールスするプロ根性です。一人で11日間のセール期間中だけで1700億円ほど売り上げるわけですから、中国の規模は桁が違います。

アリババやジンドンの売上は好調ですが、そこで販売している事業主からは悲鳴が聞こえています。アリババは日本の楽天のような仕組みで、淘宝や天猫というインターネットモールを運営していて、さまざまな事業主がモールに出店して販売しています。中国の電力不足で商品供給が滞っているのと、出店料などのコストが上がっていて、個々の事業主の経営は圧迫されているようです。

ところで、日本では11月11日の中国のセールを「独身の日」として報道されていますが、今の中国では「独身の日」とはほとんど言わないようですので、日本の報道もそろそろ改めた方がいいと思います。11がふたつ並ぶ日なので双11(シュアンシーイー)と呼ばれていますので、こちらを覚えるようにしましょう。