化学博士は月給160万円

中国のベンチャー企業が化学を専攻した学生を高給で雇っているそうです。これまで「生化环材」つまり、生物(生物) 化学(化学) 环境(環境) 材料(素材)を専攻した学生は卒業しても仕事がない「四大天坑」と言われていました。コンピュータを専攻した学生が月給が2万元なのに対し、化学を専攻した学生は1万元にも満たないので、卒業してから自力でJavaを勉強してプログラマーとして働いた方が待遇がよかったといいます。化学分野の事業は研究開発に時間がかかって成果が上がるのに時間がかかるので、IT関連企業の方が給与がよかったのです。

しかし今年になってから状況が変わりました。新能源(クリーンエネルギー)や合成生物(バイオテクノロジー)の部門の企業が大量に採用をはじめ、「四大天坑」と言われた学生に、日の目が当たり始めました。宁德时代や比亚迪などの燃料電池大手の企業が大量に化学専攻の学生を採用し、化学専攻の学生の給与相場が急騰しました。国内の著名なベンチャーキャピタルから委託を受けているヘッドハンターによると、クリーンエネルギーのマネージャークラスの月給は5万元から8万元ということです。化学を専攻していることに加えて、化学電池、燃料電池の分野を熟知していることが条件ということですが、8万元というと日本円で160万円になりますので、相当な好待遇です。

この変化によって、富豪ランキングも変化し始めるかも知れません。これまで富豪ランキングに名前を連ねてきた马化腾(テンセント) 丁磊 (网易)黄峥(拼多多) 张一鸣(TikTok 抖音)といった人々はすべてIT関連企業の創業者でしたが、これからは宁德时代の曾毓群など、化学関連の企業の創業者が名前を連ねるかも知れません。