宁德时代の急成長

中国の燃料電池大手の宁德时代(ニンダー シーダイ)が急速な成長を見せています。4月20日に発表した四半期決算では、営業収入は890.38億元(約1兆7800億円)で前期比82.91%増、純利益は98.22億元(約1960億円)で前期比557.97%増、つまり6倍の利益を計上しています。毎日平均20億円の利益を上げていることになります。

中国の燃料電池の市場シェアは、宁德时代が48.2%と1位を占め、2位は比亚迪(ビーヤーディー)の6.53%と宁德时代が圧倒的なシェアを誇っています。しかし、2019年以来シェア50%以上をキープし続けていいたのが、ここにきて50%を割ったので、宁德时代としてはかなりの危機感を抱いているようです。

燃料電池の原材料となるレアアースは中国が独占しているという印象がありますが、リチウムに関しては、オーストラリアがシェア1位で、中国は5位に甘んじています。宁德时代は中国国内の江西省や四川省、またボリビアのリチウム鉱山に投資して、原材料確保を図っています。現在、宁德时代はテスラの車体への燃料電池搭載率を、2021年の69.7%から81.6%に増加させ、广汽(グアンチー)、蔚来(ウェイライ)、理想(リーシャン)など中国の主要なEVメーカーでも搭載率を増加させています。競争が激化しているとはいえ、宁德时代が中国経済の好転の恩恵を厚く受けていることは、間違いないと言えます。