「寒気」を伝えろ

华为(ファーウェイ)の創業者、任正非(レン ジェンフェイ)の発した言葉が、中国のネット上で物議をかもしています。

任正非は华为(ファーウェイ)の社内掲示板に「会社全体の経営方針は、規模の追求から、利益とキャッシュフローの追求へと転換する」と題した文章を発表し、ウクライナでの戦争やアメリカの経済制裁のために、世界全体の経済はこの3年から5年の間は好転する事はできない、とし、新型コロナウイルスの影響で、世界はたったひとつのホットスポットもなくなってしまった、と述べました。新型コロナウイルスの影響でなくなったホットスポット、とは、暗に中国のことを示唆しています。参考までに、原文は「现在由于战争的影响以及美国继续封锁打压的原因,全世界的经济在未来3到5年内都不可能转好。加上疫情影响,全球应该没有一个地区是亮点」です。

そして「每个口都不要在讲故事,一定要讲实现」と述べています。直訳すると、「従業員はみな、ストーリーを語るのではなく、現実を語らなくてはならない」ということですが、これまでの夢を追いかけるようなベンチャー投資を戒め、すぐにキャッシュフローを生む足元のビジネスに集中しろ、という趣旨です。

さて、問題の炎上した一節は、「夯实责任,奖金,升职,升级与经营结果挂钩,将让寒气传递到每个人」です。

責任を徹底し、ボーナスや昇進、昇給と経営の結果を連動させ、全従業員に「寒気」を伝える、という意味になりますが、「寒気を伝える」という言葉は、リストラや減給を想像させ、ネット上で「寒気」という言葉がちょっとしたブームになりました。給料が減ったり、職を失った若者が「寒気が伝わった」と書き込みをしたのです。

アメリカの規制がファーウェイの経営に与える影響はいまだ大きく、中国のゼロコロナ政策がさらに追い打ちをかけているようです。「寒気」はこれからどこに向かって吹くのか、ファーウェイの今後も動向が気になるところです。