犬の血 ニワトリの血

中国語で狗血(ゴウシエ)という表現があります。直訳すると犬の血ですが、ドラマや映画でよく使われるお決まりの筋書きのことを意味します。恋愛ドラマで言えば、最初は反発しあっていた若い男女が、そのうちにお互いにひかれあうとか、いい雰囲気になってキスしようとすると必ずジャマがはいるとか、こういう展開のことを狗血といいます。「太狗血了(タイ ゴウシエ ラ」などと使われます。

鸡血(ジーシエ)はニワトリの血という意味ですが、こちらにもおもしろい使われ方があります。スラング的表現ですが、打鸡血(ダー ジーシエ)で、ひとを夢中にさせる、頑張らせるという意味になります。「给学生打鸡血(ゲイ シュエシェン ダー ジーシエ)学生を夢中にさせる」などの使い方があります。もともとニワトリの血を注射で打つ健康法があったことから来た言葉だそうで、さすが中国という感じがする表現です。さすがに今はその健康法は行われておらず、この打鸡血という表現にだけ、残されています。

最後に猪血(チューシエ)。ブタの血という意味ですが、これは普通に食べ物です。猪血糕(チューシエガオ)という、ブタの血を塊にしたものが、よくスープの具に使われます。最初知らずに食べて、やわらかくてうまみがあっておいしいと思い、これは何かと友人に訪ね「ブタの血だよ」と言われて、オエッとなったことがありました。