犬のリードを売ってIPO

中国のペット産業は活況を呈していて、関連する企業の成長も著しいです。その中の一つ、温州源飞宠物玩具制品(以下 源飞宠物ユエンフェイ チョンウー)という会社が上場を申請することを先週発表しました。源飞宠物はペット用のリードやハーネスなどを作っている会社で、ペット用の牽引道具だけで、2021年の上半期に3億元(約60億円)を売り上げています。中国でも一人暮らしの若者やお年寄りが増えていて、ペットを飼う需要が増えているようです。

創業者の庄明允は小さい時に体が弱く、歩くのが不自由だったのですが、子犬を飼うと体に良いという民間療法に習って、両親が庄のために子犬を何匹も飼って育てていたことから、庄の幼い心の中に、将来犬をビジネスにしようとする気持ちが生まれたのだといいます。2004年に源飞宠物を創業すると犬用のガムやおやつ、おもちゃや、牽引道具を生産し、ウォルマートやカルフールなど世界の巨大流通企業に商品を卸して、事業を拡大していきました。温州人は商売が上手だとよく言われるのですが、その典型的な例です。

中国では他にもペットフードを製造する乖宝股份(グワイバオ グーフェン)や、450件の動物病院を傘下に収める新瑞鹏宠物(シンルイポン チョンウー)など、多くのペット関連企業が上場を予定しています。2023年には中国のペット関連市場は4456億元(約8兆9000億円)に達するとの試算もあります。日本のペット市場は1兆5000億円と言われているので、その大きさがうかがえます。