蜜雪冰城はなぜ儲けられるのか

蜜雪冰城(ミーシュエ ビンチャン)というタピオカやアイスクリームを売っている中国のチェーンがあります。日本でもタピオカブームがありましたが、そんなブームの時でも話題にならなかったような、ちょっとダサめのブランドです。

日本にも進出している贡茶(ゴンチャー)やcoco都可(ココドウカー)の他にも、中国には、喜茶(シーチャー)や奈雪(ナイシュエ)など、おしゃれで人気のあるお茶系のブランドがたくさんあり、都会の一等地やショッピングモールでしのぎを削っています。蜜雪冰城はどちらかというと、ちょっと田舎の町にあるイメージです。「蜜雪冰城」でYouTubeを検索するとコマーシャルソングが出てきますが、中国語の超初心者でもわかる歌詞なので、興味のある方はぜひご覧ください。なかなか耳から離れない中毒性があります。

そんな蜜雪冰城ですが、上場のための財務報告書が公開され、驚くべき収益力が明らかになりました。2021年の蜜雪冰城は売上高103.5億元で純利益が19.1億元と18.4%の収益力です。2019年、2020年の数字を見ても、17.1%、13.5%と高水準を維持しています。

蜜雪の強さはその圧倒的な安さです。贡茶や喜茶は1杯20元から30元するのに対し、蜜雪は6元から8元の価格帯とお茶のブランドの業態で最安の価格で販売しています。コロナの影響で景気が悪化して、中国も低価格志向に流れているように思います。また蜜雪は中国で2.2万店舗を展開しており、スターバックスの6000店舗、coco都可の3000店舗と比較して、その規模の大きさがうかがえます。規模が大きければそれだけサプライチェーンを効率化して利益率を高めることができます。規模の大きさと、あまり派手でないところが、蜜雪の強さの秘密かも知れません。