離婚冷静期

2021年から中国で「離婚冷静期」が制定され、物議をかもしています。中国語では「离婚冷静期(リーフン ランジン チー)」と書きますが、「离」は「離」の簡体字なので、日本の漢字を使って書けば、そのまま「離婚冷静期」になります。

中国では最近電撃婚が増える一方、すぐ離婚する人も増えています。ちなみに中国語では電撃婚のことを「闪婚(シャンフン)」と言います。中国の離婚率は日本の倍に上ると言われていますが、増加する離婚率を問題視した政府は、離婚を申請しても30日間は「冷静に考える期間」として、離婚までの猶予が設けられることになりました。政府関係者はこの「離婚冷静期」制度の意味を、随意的、衝動的な離婚を減少させ、離婚のコストを上げ、安定した家庭を維持する効果があって、子供たちや女性の利益を守る、と説明しています。

気性が激しい人の多い、中国らしい話ですが、婚姻の自由を制限しすぎではないか、とSNS上では多くの批判の声が上がっています。DVに苦しんでいる人がすぐに離婚できないというデメリットもあり、女性の権利を守る活動家は、この制度に猛反発しています。離婚率を下げて、伝統的な家庭の形を維持しようという制度に思われますが、かえって若い人に結婚を敬遠させることにつながるのではないかと、心配になります。