三人目容認に冷めた反応

中国では6月1日がこどもの日=「儿童节」(アルトンジエ)ですが、その前日に共産党が、3人目の子供の養育を認める方針「三胎政策」(サンタイジェンツァー)を発表しました。よく知られているように、中国では長い間一人っ子政策が取られていて、二人以上子供を作る親には罰金を課していました。高齢化を懸念した政府が5年目に二人目の解禁をしましたが、今回さらに規制緩和をした形です。しかし、国民の反応は至って冷めていて、出生率改善の効果のほどは不明です。日本と同じく、中国でも子供の養育費の負担は大きく、持てるようになったからと言って、子供を3人作ろうと考える若い人は少ないようです。特に都市部ではその傾向は顕著です。
この時ネット上で話題になったフレーズが「提前完成任务」です。映画監督の张艺谋(チャンイーモウ)は子供が3人いて、多額の罰金を支払った話は中国では有名です。その张艺谋監督の妻がネットで「提前完成任务」とつぶやいて、炎上してしまいました。「あらかじめ任務は完了しました」というような意味で、「三胎政策」の前に三人目の子供は作ってしまったので、任務は達成しました、ということです。多額の罰金を払える経済力を鼻にかけるようなコメントなので、多くの人の反感を買ったということです。

中国、3人目の出産も容認 少子高齢化加速に危機感: 日本経済新聞 (nikkei.com)