横たわり族

中国で「横たわり族」が急増しているというニュースが日本でも流れています。今、中国では「躺平」(タンピン)という言葉が大流行しています。カタカナで書くと麻雀の役のようですが、「躺」は横になる、「平」は平らという意味ですので、人が長々と横たわっているイメージです。出世やお金をあきらめて、無理に働くことをやめるという意味で使われています。記事にもある通り、中国では数年前から「996」(ジョウジョウリョウ)という言葉がはやっていますが、最近では「007」(リンリンチー)という言葉もあるそうで、0時から0時まで、つまり24時間、週7日働くという意味だそうですから、私の世代の方なら、かつての日本の「24時間働けますか?」というCMを思い出すのではないでしょうか。
過度に激しい競争社会のことを「内卷」(ネイチュアン)と表現しますが、「躺平」はこうした社会に対して、合法的にできる抗議行動だと、ネット上で急速に広まっていて、とうとう政府が警戒するまでになりました。中国は食べるものにも困るような最貧困層は確実に減少し、国民は豊かになりましたが、これからさらに国が豊かになったとしても、自分たちも豊かになれるとは限らないと若者たちは感じるようになっているようです。