WeRideとは

自動運転技術の開発で、広州市が熱くなっています。小马智行、文远知行といったユニコーン企業(中国語ではそのまま 独角兽 ドゥージアオショウ)に加え、导远电子も数億元の資金調達に成功しました。その中で 文远知行 (ウェンユエンジーシン)について紹介させていただきます。

文远知行 は英語の企業名の「WeRide 」の方が覚えやすいので、ここから先は「 WeRide 」と表記します。 WeRide は2017年にシリコンバレーで創業しますが、その後すぐに、「シリコンバレーより広州の方が事業展開を進めやすい」と、本拠地を広州に移します。 WeRide が広州を選んだ理由は、政府が自動運転の開発に協力的で、公道運転の実験がやりやすく、データを大量に蓄積できるためです。実際、 WeRide は設立してわずか81日目に公道での走行試験を行っています。日本ではもちろん、アメリカでもこれだけ早い展開は難しいと思います。

WeRide は日本の自動車メーカーとも提携していて、ルノー・日産・三菱自動車連合から出資を受けると同時に、実験用の車輛の提供を受けています。2019年11月にはRoboTaxiの試験運用を始め、大雨の中を運転したり、城中村という、狭い路地に屋台が立ち並んでいるような街並みの中を、自動運転したりしています。広州市の2021年1月には広州で自動運転のミニバスの運行実験を開始し、市民に予約試乗体験を行っています。

WeRide の役員のメンバーを見ると、技術顧問として金出武雄さんという日本人の名前が出てきます。カーネギーメロン大学の教授でロボット工学の専門家で、羽生善治にも影響をあたえたといいます。こういう方が参画している点にも、中国のユニコーン企業のダイナミズムを感じます。

文远知行 | WeRide