ハルビン旅行ブーム
いま、中国ではハルビンに旅行に行くのがブームになっています。ハルビンは東北地方の黒竜江省の省都で、中国の大都市の中では最も北に位置しています。札幌の雪まつりのように、毎年1月に氷祭り(哈尔滨 冰雪大世界 ハールビン ビンシュエ ダーシージエ)が開かれていて、もともと人気のある観光スポットではありますが、今年の盛り上がり方は、ちょっと度を越えています。
防寒帽と防寒着にすっぽり身を包んだ人が、波のように押し寄せている映像が、中国のSNSで流れています。大半が上海や広東省など、中国の南の地域から来ている観光客です。中国のSNSでは南方小土豆(ナンファン シャオトゥートウ)と呼ばれていますが、その意味は「南の小さなジャガイモ」です。中国の南の地域の人は、北の人に比べると伸長が小さくて、丸々と着ぶくれしているので「ジャガイモ」と呼ばれているのですが、中国版TikTokの抖音(ドウイン)には、コミカルに編集された旅行者の映像がたくさん流されています。中国の南部は雪が降らないので、生まれて初めて雪を見る人も多く、飛行機の窓から雪景色を眺めて歓声を上げる映像もありました。
ハルビン旅行がこれだけブームになっているのは、雪の魅力だけではありません。町おこしのために町中が総出で観光客を増やそうとしているのも、ブームになった要因のひとつです。地元の人が、観光客を見かけると、タダで車に乗せて目的地まで送ってくれることもよくあるそうです。小柄で着ぶくれている集団がいたら、見た目で観光客だとすぐわかるので、地元の人が声をかけてくれます。今、防寒帽と防寒着を着込んでハルビンを旅行すれば、日本人でもタダで車に乗せてもらえるかも知れません。ただ、めちゃくちゃ混んでいることは、覚悟しなくてはならないでしょう。