TikTok運営のバイトダンス 上場か

若い人たちを中心に人気を集めている動画配信サービスTikTokは、全世界で10億人が利用しています。特に多いのはアメリカ、インドネシア、ブラジルで、日本でも950万人が利用しています。そのTikTokを運営しているのは字节跳动(ツージエ ティアオトン)という中国企業で、日本ではバイトダンス(ByteDance)という名前で紹介されています。

先ほど挙げた利用者のデータには中国国内のTikTokの利用者が含まれていないようです。中国国内ではTikTokは抖音(ドウイン)という名前で提供されています。抖音の利用者は6億人と言われていますので、全世界で16億人が利用しているサービスということになります。そんな字节跳动ですが、まだ上場していません。想定時価総額は30兆円を超えるとされ、世界最大のユニコーン企業とも言われています。そのため字节跳动の上場はたびたび噂されていました。

この5月になって、字节跳动に上場する兆しが見えているといいます。一つは関連企業の名前を字节跳动から抖音に変えていることと、CFOに高准(ガオ ジュン)が就任したことです。高准は小米(シャオミー) 美团(メイトゥアン) 拼多多(ピンドゥオドゥオ)など中国の巨大ネット起業のIPOに関わってきました。このため、字节跳动も近々香港で上場するのではと言われています。中国人の名前は字面だけでは男性か女性か判別できませんが、この方は女性で上海出身、北京大学を卒業し、アラバマ大学で修士、UCLAで博士号を取得しています。

字节跳动は未上場企業なので一般の人は投資できませんが、ソフトバンクグループのビジョンファンドが出資していますので、もし字节跳动が上場したら、ソフトバンクの株は上がるかも知れません。今年の決算で1兆7000億円の赤字を計上したソフトバンクグループですが、一転して最高益を計上する可能性もあるかも知れません。