苦境の海底撈

海底撈火鍋(ハイディーラオ フオグオ)は中国で最も有名なレストランチェーンだと思います。順番を待っている間にネイルサービスが無料で受けられたり、店員がお客さんの目の前で手打ち麺を作ってくれたり、そのサービスは話題になって連日行列を作る人が絶えませんでした。日本にも新宿や心斎橋など多数出店しています。しかし、その海底撈が2021年上半期の純利益が9452万元(約15億円)と、コロナ前の2019年の同期の9億1000万元に比べて10分の1に減少しています。4544億香港ドル(約6兆3600億円)まで達した時価総額も、1572億香港ドル(約2兆2000億円)にまで減少しています。新型コロナウイルスで客足が減少したこともありますが、強気な出店戦略が裏目に出ています。コロナの発生した2020年は中国国内に868店舗だったのですが、2021年には1491店舗と600店以上増えています。コロナ禍がもっと早く収束すると考えて、回復後の需要を見込んで大量出店した結果、回転率が減少してしまいました。中国は日本に比べるとコロナの感染者はずっと少なく抑えられて、飲食店も普通に営業していますが、一方感染者が少しでも発生すると、敏感に反応して、人通りが一気に減少してしまいます。また、コロナの影響で、宅配で火鍋を提供して、後片付けまでサービスしてくれる企業も現れたことも影響しているようです。強気の出店が裏目に出ているところは、日本の「いきなりステーキ」を彷彿とさせます。
日本の海底撈も緊急事態宣言期間中は臨時休業しているようです。また復活することができるのか、注目していきたいです。

海底撈火鍋 新宿店【公式】 (owst.jp)