知られざる中国の大企業

中国の宁德时代(ニンダーシーダイ)という企業が7月29日、ナトリウムイオン電池の製品を発表しました。日本ではCATLと紹介されることが多いようですが、日本の漢字で書くと「寧徳時代」となります。あまり耳なじみのない名前ですが、いったいどんな企業なのでしょうか。リチウムイオン電池を開発したのは、ノーベル賞も受賞した日本の吉野彰さんですが、いま、世界でリチウム電池のシェア1位の企業は中国の宁德时代です。
宁德时代   29.9%LG      24.5%パナソニック 15%
と、リチウム電池のシェアは中国、韓国、日本の企業がしのぎを削っています。宁德时代は中国版ナスダックと言われる创业板に上場していますが、時価総額は1兆2100億元(約19兆円)に上っています。株価が高止まりしていることから「電池のマオタイ」と呼ばれています。そのリチウム電池最大の企業が、ナトリウムイオン電池に進出するというのです。ナトリウムイオン電池はまだ新しい技術ですが、充電速度が速く、次世代の電池として期待されています。ところで、リチウム電池は中国語で锂电池(リーディエンチー)ナトリウム電池は钠电池(ナーディエンチー)と言います。锂がリチウム、钠がナトリウムというように、中国語では元素を漢字一文字で表します。新しく元素が発見されるたびに新しい漢字がひとつ作られるのは、漢字の国中国ならではだと思います。