ナマズ効果
日本でも、カタカナのビジネス用語が氾濫していて、意味が分からず辟易することがありますが、市場経済真っ盛りの中国でも、海外のビジネス書が大量に翻訳されて入ってくることで、新しいビジネス用語が次々に生み出されています。
中国の場合は、元が英語でもすべて中国語に翻訳されるのが特徴です。最近知った言葉に「鲶鱼效应(ニェンユィ シャオイン)」という言葉があります。直訳すると「ナマズ効果」です。
英語ではcatfish effectというそうですが、競争がゆるい環境に強敵を放り込むと、もともと弱かった者が自分自身を強化して、強くなる、という意味だそうです。この言葉ができた背景には、こんな話があります。
ノルウェーに、獲ったサーディンを活きたまま保管している漁師がいました。活きたサーディンは冷凍のものより何倍も高く売れるので、他の漁師はその秘密を知りたがっていましたが、漁師は一切、秘訣を人に話すことはありませんでした。漁師が死んだあと、他の漁師たちが漁師のいけすを見てみると、そこには一匹のナマズが泳いでいた、というのです。サーディンは泳ぎ続けないと呼吸がうまくできないのですが、ナマズがいることでサーディンは逃げ回って泳ぎ続け、その結果命を長らえていた、という話です。
話の真偽のほどはわかりませんが、鲶鱼效应は、例えば成績の上がらない部署に優秀な社員を送り込むことで、もともといた社員が刺激を受けて能力がアップすることや、競争のなかった市場に外部から新規参入があることで、もともとその業界にいた企業も技術革新に力を入れるようになる、といった効果のことを指すようです。