春節を作った人

2月1日は春節(春节 チュンジエ)です。「春節」という言葉も、だいぶ日本で知られるようになってきたと感じます。中国では1月1日のお正月より、旧暦の1月1日にあたる春節を、より盛大に祝います。実はこの春節を始めたのは袁世凱だ、という話を聞いたので、辛亥革命で近代化した中国で、皇帝になろうとしたけれども支持を得られなかったので、あきらめて失意のうちに亡くなったという、あまりいいイメージのない袁世凱が春節を始めたとはどういうことか調べてみました。

中国でお正月を祝う風習は夏王朝の昔からあったと伝えられています。日本もそうでしたが、中国はもともと太陰暦を使っていましたので、旧暦の正月にお祝いをしていました。

孫文が辛亥革命を起こした1912年に、西欧式に太陽暦の1月1日をお正月にすると定めましたが、旧暦のお正月でお祝いする文化は根深く、支障をきたしたので、袁世凱が1913年に旧暦のお正月も「春節」として祝日にしたのが始まりだそうです。今でも1月1日のことは元旦(ユエンダン)、旧正月は春节(チュンジエ)と呼ぶのが一般的です。

春節は何日になるのかは毎年変わります。去年の2021年は2月12日でした。早いときは1月に春節になります。旧暦(太陰暦)は月の満ち欠けに合わせて作られているので、1日は新月、15日は満月(十五夜)になります。月を見れば何日かわかるので、電気もテレビもない時代には便利だったのでしょう。1月1日に「新春」と言っても、まだ寒さが続くのでしっくりこないように思います。旧暦の方がより自然にあった暦だったと言えるのではないでしょうか。日本では明治政府が1月1日を元旦に定めた後も、田舎では旧暦のお正月を祝うのが一般的だったと思います。いつの間にか旧正月を祝う習慣はなくなってしまいましたが、ラジオやテレビの影響が大きいのでしょうか。しかし海外を見ると台湾、香港、ベトナムや韓国でも旧正月を盛大に祝います。日本でも旧正月にイベントをやる風習が復活する日も来るかもしれません。