財務女神

今年中国企業の最大のIPOになると期待されるのが、中創新航(中创新航 ジョンチュアン シンハン)です。EVなどに使われる動力電池のメーカーで、以前こちらで紹介した寧徳時代(宁德时代 ニンダー シーダイ)や韓国のLG、日本のパナソニックなどがしのぎを削る中、中創新航も世界市場でベスト10に食い込んでいます。

中創新航をそこまで成長させた立役者が、財務女神(财务女神 ツァイウー ニューシェン)の異名を持つ総経理(总经理)、劉静瑜(刘静瑜 リュウ ジンユィ)です。公認会計士、資産鑑定士(無形資産、有形資産の査定をする国家資格)、税理士の資格を併せ持ち、2018年に中創新航の総経理に就任すると、赤字続きだった同社をわずか1年で黒字転換しました。中創新航の時価総額は1兆円に迫る見込みと言われています。

3月8日は国際女性デーでした。日本ではあまり知られていませんが、中国では三八妇女节(サンバー フーニュージエ)と呼ばれて、祝日にもなっています。くだけた表現で女神节(ニューシェンジエ)と言われることもあります。そのせいなのかはわかりませんが、日本に比べると、中国は女性の社会進出が進んでいるように感じます。劉静瑜さんのように、大企業の社長や政府の高官として活躍する女性がよく見られます。