貝殻找房(ベイカージャオファン)の危機

ソフトバンクも出資する、中国の住宅取引プラットフォーム企業、贝壳找房(ベイカージャオファン)が危機に立たされています。 贝壳 (ベイカー)とは貝殻のことですが、日本のSUUMOのような、住宅の売買や賃貸の情報を提供するサイトを運営しています。ちなみに 找房 (ジャオファン)は家を探すという意味です。

贝壳は昨年アメリカでIPOをしたり、これまで順調に成長してきました。しかし最近、上海の研究開発チームをリストラするなど、経費削減、業務縮小の動きを見せています。

贝壳の業績が厳しくなった原因は、中国政府が今年2021年から中古の住宅販売に大幅な規制をかけたためです。中国も日本のバブル時代のように不動産投機が過熱していて、価格も高騰しています。日本でも住宅を短期に転売すると税金が高くなる法律がバブル後に施行されましたが、中国の場合は中古住宅の売買そのものが難しくなってしまうほど、厳しい規制をかけています。その結果、 もともと中古住宅の売買が売上の70%を占めていた贝壳は、利益が大幅に減少してしまいました。

習近平政権は「房子是用来住的 不是用来炒」と言って不動産投機を規制しています。このスローガンは、「家は住むものであって、投機するものではない」という意味です。「 炒 (チャオ)」は炒飯の「炒」で、もともと炒めるという意味ですが、中国語では投資する、投機するという意味に使います。日本語の「土地ころがし」と言う表現に似ているかも知れません。

炒股票(チャオグーピャオ)は株式投資、 炒房子(チャオファンズ)は不動産投資です。最近では 炒鞋(チャオシエ)も人気です。文字通りの意味は「靴を炒める」ですが、人気のスニーカーを投資目的で買うことが「 炒鞋 」です。