「人在江湖」②

「人在江湖飘 哪有不挨刀」という表現もあります。人が「江湖」にいたら、刀で切られないでは済まない、という意味です。「江湖」はやくざ者の世界、とも訳されます。
水滸伝で言えば、「江湖」は梁山泊のようなイメージです。社会からあぶれた豪傑たちが、宋朝の支配の届かない山に逃れて集ったのが梁山泊ですが、川や湖のほとりのような町から離れた場所であれば、政府の目も行き届かないので、やくざ者が集まるようになったから「江湖」がやくざ者の世界という意味になりました。水滸伝の「水滸」も水のほとりという意味ですね。昔の中国では湖の周りはやくざ者の世界だったのです。「武林」という言葉も「江湖」と同じように使われます。森林の中も、同じくやくざ者が集まる世界だったのです。しかし、「江湖」という言葉から中国人がイメージする世界を理解するには武侠小説に触れなければなりません。