无情对 その1

対聯(ついれん ドゥイ リエン)という中国の文化があります。中国に行くと建物の門の両側に、文字が書いてあるのを見かけますが、あれが対聯です。日本でも中華料理屋さんに行くと見かけることがあります。春節(旧正月)など、おめでたいときに特別に貼る対聯を春聯(チュンリエン)といいます。例えばこのような春聯があります。多财多福多吉利好年好景好运气「多」と「好」が左右対比して配置されていて、「 吉利」と「 运气」も同じような意味を持っていて、左右が対になるように文字が配置されています。対になっているところが多いほど、粋を感じます。漢詩でも、例えば杜甫の七言律詩「江亭」の一節には水流心不競  水流れて心競はず雲在意倶遲  雲在りて意倶に遲し「水」と「雲」、「流」と「在」、「心」と「意」など、それぞれ相対する意味の漢字が配されています。まさに杜甫の名作です。ここまでが対聯の「表側」の部分の説明ですが、いわば「裏側」の部分が「无情对(ウーチンドゥイ)」です。形は対聯の形になっているのに、意味はまったくナンセンスなものが、「无情对」です。

次回は 无情对 の中でも傑作をお伝えします。

11加藤鷹経、Tani Noriko、他9人コメント1件62人が既読いいね!コメントする